材料の大麦について

このストローの原料は大麦です。穂に6列の種子がつくものは六条大麦で、押麦や麦茶などに使われます。他に穂が2列の二条大麦があり、ビールや焼酎の原料になります。​
このストローの原料は滋賀県で無農薬栽培されているものの茎を提供していただいています。

大麦ストロー|製作工程

大麦を栽培し、麦茶とストローを作っていきます。

1 大麦栽培< 11月:種まき >
11月ごろ種をまき、発芽したらしっかり根を張らせるために冬に3回ほど麦踏をします。

2 大麦栽培 < 6月:収穫 >
4月ごろ穂が出て花が咲き、6月ごろ黄金色になったら収穫します。​

3 乾燥
乾燥させます。

ストロー製作

【ストロー製作1】茎を切る作業
節をはさみで切り落としていきます。
95歳のおばあちゃんもお仕事として切ってもらってます。

【ストロー製作2】長さ選別
12㎝以下、12-15cm、15-20cmの長さに分けていきます。細すぎたり、割れているものは廃棄します。

【ストロー製作3】煮沸、乾燥
75度以上90秒以上で煮沸します。煮沸後は乾燥機で乾燥させ、湿気のない所で保管します。

【ストロー製作4】パッケージ、販売
マイストローケース(紙筒)、紙袋入り、ヒンメリ用など商品の種類に合わせて詰めていきます。


麦茶づくり

【麦茶づくり1】

脱穀 : 収穫した穂から種をはずす。網袋入れて足で踏めば茎から外れる。ゴミは風をあてて飛ばす。​

【麦茶づくり2】

脱穀 : 収穫した穂から種をはずす。網袋入れて足で踏めば茎から外れる。ゴミは風をあてて飛ばす。

【麦茶づくり3】

焙 煎 : フライパンで乾煎りする。最初はぱちぱちはじけるような音がする。焦げるぐらい煎る方がお茶にしたとき香ばしく、よく色がでる。


協同での取り組み

農家、福祉、協同で取り組む

大麦ストロー制作、商品化は私の力だけでは実現できませんでした。無農薬栽培で大麦を作る農家さんがいて、大麦の茎を切る作業をする人がいて、作業を手伝ってくれた友人、多くの方に支えられて実現した商品です。特に協力していただいている皆さんを紹介します。

せせらぎの郷(野洲市須原)

琵琶湖に近いこの場所では、春になると水路に設置した魚道に鯉や鮒、鯰など琵琶湖から上ってきます。魚は産卵し水田の中で稚魚は大きくなります。そこで作られるお米を魚のゆりかご水田米といいます。私は3年前からお米作りや野菜作りをお手伝いさせてもらいながら、共同で無農薬六条大麦(シュンライ)の栽培に取り組んでいます。農業の大切さ、楽しさ、大変さを地域の方に教えて頂きながら栽培していく予定です。

せせらぎの郷のみなさん
いきもの観察会

近江園田ふぁーむ(近江八幡市野村町)

近江園田ふぁーむは環境にこだわり、農薬を控え、有機栽培に力を入れている農業法人です。お米を中心に、無農薬の野菜作りもされています。その中の一つに無農薬でもち麦(ダイシモチ)を栽培されていて、今回茎の部分をストローとして提供していただくことになりました。もち麦も六条大麦系の品種の一つです。穂や茎が収穫時期になるとアントシアニンの成分で赤紫色に色づき、畑一面ラベンダー畑のように美しいです。ミネラル、食物繊維、アントシアニンたっぷりで、もちもちプチプチの食感が楽しめます。

もち麦畑の前で園田ふぁーむの方と収穫
収穫前のもち麦

有限会社クサツパイオニアファーム(草津市馬場町)

私達の農業で使う肥料などの資材は循環型社会を目指し、なるだけその地域から出る自然な物を再利用し、海外から輸入されるものに依存しないことが大切だと考えています。またこの地域に住む動物、昆虫、微生物と上手に付き合うことで「おいしく」、「沢山収獲」できる農法を追求していきます。(HPより)
JAS認定の大麦(ファイバースノー)を生産しています。

難病の人たちの働きと暮らしを応援する「NPO法人喜里」

NPO法人喜里は「ひとつひとつの思いや願いを紡ぎ、難病者が安心して心豊かに暮らせるようにする」を理念に活動されています。収穫した大麦の茎からストローを切り出す作業は時間も人手も根気もかかる作業です。この作業を、すとろーているの考えに共感して「NPO法人喜里」が協力してくださることになりました。麦を切る作業や、ケースのシール貼りなど、ゆっくり、利用者さんのペースに合わせて楽しくやっていただけたらと考えています。それだけでなく、みんなで畑に出て収穫を手伝ったりできたらいいね、など話も膨らんでいきます。

NPO法人喜里事務所で打合せ
作業風景